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新型コロナウイルス感染症による脅威から約2年が過ぎようとしている。未曾有の感染症によりこのように全世界中が揺り動かされた出来事は、現代人の過去の記憶になく、まさに史上最大の世界規模の大災害となった。日本中においても生活は大きく変化し、人々の交流の仕方も、コミュニケーションの取り方、そして他人との距離感にまで大きな影響を及ぼした。その感染者数が昨年の10月から誰も予想しない勢いで減少し、1月を迎えた今も日本中が懸念している第6波の足音すら聞こえない。
日本は新型コロナウイルス感染症の対策について、「遅れをとった」、「日本政府は後手後手」、「ワクチン後進国」とマスコミやSNSで評された。しかしながら、いざコロナのワクチンを諸外国の後塵に拝してスタートしてみると、その接種率は諸外国では考えられないスピードで上昇していった。12月23日現在、ワクチン2回接種率は77.79%であり、韓国・中国について世界第3位に上り詰めている。これは政府による政策的なアプローチが功を奏したのが大きいが、やはり元来の日本人の国民性が一番の要素であったと思われる。「右向け右」と揶揄されるこの国民性は、時に「主体性がない」とか「自己主張がない」と評されるが、一斉にひとところへ向かう力は世界でも類を見ないのではないか。こういうポジティブな事実についても大きく報道されるようなマスコミになっていくことを望んでやまない。
新型コロナウイルスによって人々の生活も交流も経済も掻き乱され、その落とした大きな影ばかりが注目されている。しかしながら、物事には表と裏があるように、悪いことばかりではない。新型コロナは『病院という体調の悪い人が集う空間』で、この見えない敵から人々を守るという難題を突きつけられ、我々も経験した院内クラスターの発生を乗り越えて、恐怖に苛まれながらの運営と経営は、それはそれは苦悩の連続であった。そんな中で、当法人の「断らない医療を通じて、安心安全な医療・療養環境を提供する」という理念は、この新型コロナから逃げてばかりいることを許さなかった。我々は愛知県で最も新型コロナの病床を整備した民間病院となり、これまで260人を超えるコロナ患者さんを入院で受け入れてきた。この未知のチャレンジは多くのスタッフがこれに立ち向かい、協力し合い、戦い続けることによって推し進められた。多くの医療機関が新型コロナの入院受け入れを避けるか、用意しても少ない病床に留めるという逃げ方を選んだ。これは紛れもなく、社会への貢献や感謝の重みへの踏み絵であったように思う。つまり、本当に地域のため、社会のためということを主眼においた医療機関かどうかを如実に表す形となった。
いつやってくるのかわからないポストコロナでも社会に貢献し続けるには、今のうちから虎視眈々と準備を進める必要がある。当院の戦略としては、良質な医師への入れ替えと提供できる医療内容の拡充である。今年は、予定しているだけで11名の常勤の医師・歯科医師が新たに入職する。看護師やコメディカルの増員も徐々に進めており、当院のポストコロナを見据えたパワーアップは留まるところを知らない。医療機関は、その存在意義は地域と社会への貢献に他ならない。体裁や採算や反対意見を差し置いて、地域や社会に真摯に向き合ったこの想いは、必ず人々に伝わり、結果的に人々に支えられる。
「明けない夜はない」、「春の来ない冬はない」。新型コロナを恐れなくていい世の中は必ず来る。しかし、我々の社会貢献にゴールはなく、これだけは永遠に続く。医仁会は人が支え、人を支え、人が笑う。