救急センター 山下勝之副院長・救急部長にお話をうかがいました
※この記事は院内誌Human2015年7月号で紹介された過去の記事です
まず、御連絡・御相談のお電話をしてください。
ドクターカーとは急病や労災・交通事故現場に医療スタッフが駆け付け、緊急処置を直ちに開始することを目的としております。ドクターヘリより小回りが利くこと、24時間稼働が可能である、天候に左右されない、運用コストが安い、キャンセルにも十分対応できる事などにより、活動範囲が遠方ではない症例に対しては多くの優位性があります。
当院では2008年に道路交通法改正で緊急車両として認可された新型ドクターカーの他に、従来型の救急車3台で、24時間365日休むことなく運用されております。出動件数は平成21年度24件、平成22年度53件、平成23年度64件、平成24年度86件、平成25年度101件と、年度毎に増加しております。症例は交通事故や労災事故などの外傷患者が大半を占めておりますが、近年は高度脱水や、アナフィラキシーショック等の内科的疾患の要請もみられるようになってきました。
高所からの転落、車外への放出といった高エネルギー外傷による重症例や、車内での救出困難、機械に四肢を挟まれているといった、緊急度の高い症例では、119番通報があった時点で、当院に御連絡していただくようにしております。要請を受けてから、4分以内に病院を出るように体制作りができております。位置情報はiPadを利用することで、現場まで、より早く安全に行くことが可能となっております。
スタッフは医師、看護師の他に、薬剤師、検査技師、放射線技師、事務職員のうち、業務に支障をきたさない範囲内のメンバーで構成されております。
現場では、病態に応じて、採血、静脈路確保、気管挿管、緊急脱気、薬剤投与などの処置を行なっております。搬送途中で、患者さんの情報を病院に連絡し、ERへの応援医師の要請、手術や緊急カテーテル、緊急内視鏡等の準備を指示し、来院後すぐに処置ができるようにしております。稀にではありますが、救急出動中に他の出動の要請が入ることがあります。その際には病院にある、もう1台の救急車が出動することとなります。
事故現場に赴くだけでなく、当院では地域医療連携の一環として、紹介患者さんのなかで重症と判断される患者さんを対象に、当院ドクターカーで紹介元医療機関までの出向を昨年より行なっております。重症呼吸不全に陥った患者さんを紹介元で気管挿管後、人工呼吸器管理を中心とした全身管理を当院で行なった症例もありました。
現代は高齢化社会であり、多くの方が施設に入所されております。多くの慢性疾患を抱えており、高齢ということもあって、急変の可能性も決して少なくはありません。また、症状が軽症に見えても詳しく検査を行なうと、実はかなり重症であるということも日頃、よく経験するところであります。しかしながら、数少ないスタッフが患者さんと共に、他の医療機関に行くことで、人手が更に奪われるために、受診を翌日以降に回してしまいがちになり、その結果もう少し早く受診していただければ、治療経過が良くなっていたであったであろうという症例を経験する毎に、残念な気持ちになります。
翌日以降に受診を遅らせることで重症化が予想される方が見えましたら、さくら総合病院まで御連絡をお願いいたします。状況が許す限り、当院ドクターカーで出向し、紹介元施設で申し送りを受けた後、当院スタッフのみで患者さんを搬送いたします。
検査後、入院の必要性が全くないと判明した場合は、再び、患者さんを施設までお送りいたします。日勤・夜勤を問わず、困った症例がございましたら、まず、御連絡・御相談のお電話をしてください。