私が就職活動をしている時、施設見学に伺った病院の放射線技師さんからこんな話を聞きました。同じ職場で毎年健康診断を受けている先輩が、翌年の健康診断で異常が見つかり、その数ヶ月後に亡くなったという話でした。亡くなられたかたは肝臓に腫瘍ができ、精密検査を受けたときにはもう手がつけられなかったということでした。
一般的な健康診断では、画像検査というのは胸部のX線写真であったり、胃のバリウム検査や胃カメラが多く、脳であったり、肝臓、腎臓の検査はあまりされることはありません。胸部のX線写真も、小さな結節では熟練した医師でも発見できないこともあります。こういった足りない検査を補うためにCTやMRIといった精密な検査をする装置があります。この精密検査をするためには自分自身やその家族、またはその周りの人が体の異変に気づき、病院に行き診察をしてもらい、検査をうけることが必要なのです。
私の両親は私が社会に出る前に両親ともがんで亡くなりました。両親とも原因となるがんではなく他の病気で通院はしていましたが、発見されたときには余命が告げられていました。なぜ検査をしていなかったのだろう、なぜ通院していて検査してもらわなかったのだろうと、今の職業をめざし試験勉強をしながら唇をかみしめていました。
その頃からいわれていますが、早期発見、早期治療という言葉があります。今は早く見つければ治療も簡単にすむ時代です。入院も短い期間ですむのです。今やがんイコール死という時代ではなくなりつつあります。
人間ドックや脳ドック等を利用し、動脈瘤が発見されることもあります。発見が早ければ投薬などのコントロールによって、手術をせずにその病気と付き合って行く方法もあります。ですが、発見が遅くては手遅れとなってしまうこともあります。もし、『いつもと違う!』というちょっとしたサインを見つけたら、様子を見ずまず診察を受け、是非精密検査を受けてください。当院は放射線技師も24時間体制で勤務しています。
さくら総合病院 放射線診断治療センター 技師長 水野 晶公