北島正一朗 歯科口腔外科部長にお話をうかがいました
※この記事は院内誌Human2022年2月号で紹介された過去の記事です
地域の一次医療機関の先生方、消防や警察などの行政の方三次医療機関の方にも、
口腔外科で働きたいと希望する先生方など
誰もが「口腔外科ならさくら総合病院を選びたい」と希望する口腔外科です。
歯科口腔外科という診療科目は、親知らずの抜歯が有名ではありますが、その他にも重篤となった 歯性感染症の治療や嚢胞性疾患、良性/悪性の腫疡、粘膜疾患、先天性疾患、外傷、顎関節症、心因性の口腔疾患などの治療にもあたります。また入院管理が必要な状態に対する対処も行ないますので、入院下の補綴前処置(義歯やインプラントのための骨移植や整形など)も行なっていきます。特に、親知らずの抜歯、外傷の治療、顎変形症(手術を必要とする矯正治療)の3つは、これから当科の診療の柱と位置付けていきたいと考えています。
私たちは地域の二次医療機関として、患者さんには、是非かかりつけ歯科をもっていただき、かかりつけ歯科からの依頼を受けて専門的な治療を行ない、必要な治療が完了した場合には、かかりつけ歯科に戻っていただくことを基本としています。そのようなかかりつけ歯科や医科の先生方との連携を、積極的に行ないたいと考えています。もちろん例外的には、慢性の粘膜疾患など、かかりつけの一次医療機関と並行して受診していただくこともあるでしょうし、外傷など、緊急事態が受診 の入り口になった場合には、当科で完結してしまう場合もあるかもしれません。また、全身疾患をお持ちの患者さんには、ある程度以上の侵襲を伴う治療は当科で、あまり侵襲を伴わない場合にはかかりつけで、などと、治療場所が混在する可能性もあります。
口腔外科と聞くと、「ちょっと怖いな」「手術をするのか・・・」と思われるかもしれませんが、それはただのイメージだと思います。治療の実態がよくわからない不安から生まれたものではないでしょうか。例えばこう考えてはいかがでしょう。疾患を持った患者さんを支えるフロントはかかりつけ医であり、私たちはかかりつけ医を支える役割なのです。一次医療機関と、総合病院のような紹介で部分的な治療を担う二次医療機関とを合わせて、二次医療圏と呼んでいますが、これらは決して別々のものではなく、両者は地続きです。下世話な例えですが、トイレの暖かい暖房便座がかかりつけだとするならば、私たちはそこに付属するお尻を洗うシャワー機能のようなものです。いつも動いているわけではありませんが、必要な時に登場して、患者さんをより良い状態に導きます。シャワー機能は、快適な暖房便座あってのもので、便座がないシャワー機能はあり得ません。また暖房便座だけ でも事足りますが、洗浄機能があればなお良いと思います。私はさらにこの考え方を一歩進めて、患者さんも合めて二次医療圏と思っています。ウォッシュレットがあってもそれを利用する人がいなければ無意味だからです。
ニーズが多様化している中で全ての人が100%の満足とまでは難しいとしても「総合的に考えたら、結局さくら総合病院だね」と思ってもらえることが、最終的にNo.1だと思います。これは決してさくら総合病院口腔外科がNo.1なのではなく、皆様が利用する、皆様のさくら総合病院 口腔外科がNo.1という意味です。もちろん、未来とは私たちが勝手に作るものではありません。互いが対等な関係で、互いに学びつつ、皆様に育てていただく、応援していただくことで高め合う、医療機関には珍しい例えですがAKB48のような存在なのです。皆様の口腔外科を、いえ、皆様と私たちを全て包摂したこの二次医療圏が、真に最高のウォッシュレットになれば、患者さんも、家族も、医療者も、行政も、みんなが幸せではありませんか? ぜひ、皆さんの力を貸してください。
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