さくら総合病院 医療コラム
放射線科専門医について

放射線診断治療センター 谷口毅医師に「放射線科専門医について」お話をうかがいました。

※この記事は院内誌Human2020年4月号で紹介された過去の記事です

たとえ華々しさとはかけ離れた仕事場でも、
現代医療の核心を担っているという自負と責任感は
全ての放射線科医が共有しています。


 

放射線科専門医の谷口と申します。放射線科医と聞いてみなさんはどのようなイメージを持たれるでしょうか。外科医が主役のドラマやコミックは巷に溢れており、救急医や僻地医療をテーマにした題材も多く見られます。身近な存在である内科や整形外科なども一般の方々はイメージしやすいでしょう。産婦人科や小児科は昨今の厳しい現状で医師不足が叫ばれているのは皆さんの知るところです。翻って「放射線科医」、どんな仕事なのか、どんな内容なのか、想像できる方は非常に少ないのではないでしょうか。

現代の診断技術は凄まじいスピードで発達しています。そしてその中心的な役割を果たしているのが画像診断と呼ばれる技術です。CTやMRIと呼ばれる装置を使い、表面からは見えない内部の様子をメスも入れずに知ることができます。対象は頭のてっぺんから足の先まで。どこにどんな病気があるか、わずかな時間で詳細に知ることができます。一番分かりやすいのは癌という病気です。胸のCTを撮影すれば95%の癌は漏れなく見つけることが可能です。さらに撮影範囲を広げ、時にはMRI、PETも駆使すれば身体のどこに転移があるのかを知ることができます。これにより癌がどのステージにいるのか、治療方針を決めることができるのです。

救急の現場でも、お腹が痛い、頭が痛い、様々な病気の診断に対し絶大な威力を発揮します。さらに核医学検査(PET検査やシンチという呼び名で知られている方も多いのではないでしょうか)では脳の血流低下による認知症の診断、腎臓の機能評価、さらにはCTやMRIだけではわからない癌の性状など様々な情報を得ることができます。現在ではあらゆる医療の現場で無くてはならない技術となっているのです。

しかし困ったことが起こります。どこに異常があるのか、それはどんな病気なのか、技術の進歩に伴い画像を読むために長い専門的な訓練が必要となるほど情報量が増えてしまいました。それも頭のてっぺんから足の先まで。そこで、日々得られる膨大な診療画像を読み解き、その情報を的確に診療に役立てるべく存在するのが放射線科専門医なのです。

ただし放射線科の役割は画像診断だけではありません。血管に管を通して出血を止めたり病気の部分にだけ薬を入れる血管内治療、CTやエコーを駆使して身体の中に正確に安全に針を刺して膿を抜いたり癌の組織を採取する穿刺技術、さらには癌の部分に精密に放射線を照射し焼き殺すがん三大治療の一つである放射線治療、これら全ては放射線科のテリトリーです。

放射線科は非常にマイナーな存在です。それは普段診療の表舞台には現れない黒子だからです。しかも読影室という暗い部屋の中、PCの前が仕事場という非常に地味な見た目、そのせいでメディアの題材にもしにくい。しかし、たとえ華々しさとはかけ離れた仕事場でも、現代医療の核心を担っているという自負と責任感は全ての放射線科医が共有しています。病院でCTやMRIを撮った時、できれば我々の存在を思い出してみてください。
 

学位・専門医
日本医学放射線学会放射線診断専門医
日本医学放射線学会研修指導者
〈所属学会〉
日本医学放射線学会
日本放射線腫瘍学会
日本IVR学会

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