さくら総合病院 医療コラム

腎臓内科 山本琢己医長にお話をうかがいました

腎臓、糖尿病、内分泌疾患に対して専門的な対応と
総合内科ではひとつの臓器の病気だけでなく、
「からだ」を総合的に診療します。


 

※この記事は院内誌Human2022年8月号で紹介された過去の記事です
そのため、現在は診療科名が異なりますがご了承ください

腎臓が悪くなる前、尿検査だけに異常がある段階から、
慢性腎臓病の段階や透析療法に至るまで、
腎臓に関してなにかありましたら、ぜひ当院を受診されてください。


 
 
皆様は腎臓内科という診療科のことをご存じでしょうか? IgA腎症をはじめとする慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症、腎硬化症による慢性腎臓病(CKD)、多発性囊胞腎等の腎疾患や、腎機能が廃絶した方に行なう透析療法のプロが腎臓内科です(泌尿器科も腎臓を扱いますが、腎臓だけでなく尿管や膀胱、前立腺等の癌や結石、排尿障害を主な守備範囲とします)。慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease、略してCKD)は、1,300万人(成人の8人に1人)の患者さんがいると考えられ、新たな国民病とも言われています(最近はテレビCMでもよく目にするようになりました)。腎臓の機能は尿を作ることです。尿は水分と身体から出る老廃物(毒素)でできていますので、腎臓は水分と毒素を身体の外に出すことを目的とした臓器と言えます。腎機能が悪くなってくると、水分が出せなくなることからむくみが現れたり、毒素が溜まってきてだるさや食欲低下・吐き気等が出現したりします。ただし、この症状はかなり腎機能が悪くならないと出てこないので、無症状のうちに腎臓が悪くなっていき、症状が出るころには手遅れ、ということが起きてしまいます・・・。

CKDの早期発見のため健診でチェックされているのが、クレアチニンと尿蛋白です。このどちらかが異常と判定された方は、一度腎臓内科を受診されることをお勧めします。

腎臓内科の守備範囲として、透析療法も担当しております。腎機能がゼロになってしまった方に行なう腎臓の代わりとなる治療を腎代替療法といい、血液透析・腹膜透析・腎移植の三種類がありますが、当院では主に血液透析を行なっております。血液透析は、血液を体外に運び出し透析装置で毒素や水分を除去したのちに、またその血液を体内に戻す治療です。一般的には週3回、1日4時間行なわれますが、これは生存に必要な腎機能をギリギリ維持できる時間です。腎臓が悪いと血管疾患や感染症等を起こしやすくなるため、透析療法を行なっていても様々な疾患を発症する可能性があり、複数の診療科と協力しながら診療を行なっております。

また、血液透析患者さんは血液を体外に運び出すためのアクセス(いわゆるシャント)が必須です。アクセストラブルは透析患者さんを悩ませるものですが、当院では初回のアクセス手術から、その後の管理・トラブルの対応まで一括して行なっております(当院では困難なケースは提携医療機関に紹介しております)。

腎臓が悪くなる前、尿検査だけに異常がある段階から、腎臓が悪くなったCKDの段階や透析療法に至るまで、腎臓に関してなにかありましたら、ぜひ当院を受診されてください。皆様の健康に少しでも貢献できればと存じます。

 

医長
学位・専門医
日本内科学会認定内科医
日本腎臓学会専門医
日本透析医学会専門医

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