疾患・治療|呼吸器外科
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肺がん胸壁腫瘍気胸胸水
肺がん
肺がんは症状がなくても検診によって早期発見できることもあります。 気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したもので、進行するとがん細胞が周りの組織を破壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れに乗って広がっていきます。
症状
肺がんは初期の場合、ほとんど症状はありませんが、以下のような症状があらわれることがあります。 ただし、どの症状も「ほかの病気」にみられるものであるため、症状から「肺がん」かかどうかを区別することは難しいといわれています。
- 咳(せき)
- 痰(たん)
- 血痰(けったん:血が混じった痰のこと)
- 発熱
- 呼吸困難
- 胸痛(胸のあたりの痛み)など
また、症状から発見された肺がんと、検診によって発見された肺がんでは、がんの進行度に違いがみられます。定期的な肺がん検診を年1回受け、無症状の段階から肺がんを早期発見することが大切です。
治療
肺がんの治療には、手術療法(手術)・放射線療法・薬物療法などがあります。 治療方法は、患者さんの状態、年齢、そして肺がんのステージ、肺がんの種類などによって異なります。
※当院では肺癌の手術も積極的に行っております。名古屋大学呼吸器外科の専門医と当院の外科医で大学病院と同じクオリティーの手術を行っております。術後は集中治療室(ICU)で安定するまで管理するようにしており、最高レベルの安心と安全を提供しています。特殊な手術になる場合は、名古屋大学病院の呼吸器外科で行うこともあります。
胸壁腫瘍
胸壁腫瘍は、胸郭(胸部の骨や筋肉)の組織で発生する腫瘍です。
症状
症状は幅広く、下記の様な症状などが挙げられます。
- 胸部や肩の痛み
- 腫れやしこり
- 呼吸困難
- 疲れやだるさ
- 発熱や体重減少
治療
治療には、手術・放射線治療・化学療法があります。手術は腫瘍の大きさと場所に応じて、胸壁全体または一部を切除する手術が行われることがあります。手術後には、リハビリテーションが必要となることがあります。放射線療では手術ができない場合や、手術後に腫瘍が再発する可能性がある場合に行われることがあります。また、化学療法は放射線治療と併用されることがあります。
治療後のフォロー
手術後のリハビリテーションは、患者さんが正常な日常生活に戻るのを助けるために非常に重要です。リハビリテーションには、呼吸療法、運動療法、および心理的支援が含まれる場合があります。
また、健康的な食事、運動、禁煙、およびストレスの管理は、胸壁腫瘍の治療後の生活においても重要です。
胸壁腫瘍は、早期発見が重要であり、専門医による適切な治療が必要です。治療後のフォローアップは、患者さんの健康状態をモニタリングし、再発や合併症を予防するために大切です。
気胸
気胸は、肺の表面にある気腫が破裂し、肺が胸腔内に入ることで起こります。
症状
症状は幅広く、下記の様な症状などが挙げられます。
- 急激な胸痛
- 呼吸困難
- せきや息切れ
- 肩や背中の痛み
- 顔色の変化
- 無力感や倦怠感
治療
再発例は手術の対象となります。この場合の手術は全身麻酔下の胸腔鏡下肺部分切除術になります。
側胸部に3箇所小さな穴を開けるだけで原因となる肺の膜(胸膜)が薄く風船状に膨らんだ部位(ブラ)を切除します。当院での気胸手術は再発率が0%です。
胸水
胸水は、ただの水ではなく、アルブミンという最も重要なタンパク質などを含んでいます。
症状
- 呼吸困難や息切れ
- 胸痛
- 咳や喉の痛み
- 発熱や全身的な不調
治療
カテーテルを挿入して、胸水をバッグに溜めて、濾過して濃縮して、点滴で体に返す、CART(胸腹水濾過濃縮静注法)という最新の処置により、胸水排出のデメリットを最小限にすることができます。
治療後のフォロー
胸水が治療された後は、特にドレナージチューブのケアや生活習慣の改善について、医師の指示に正確に従うことが重要です。
また定期的に医師の診察を受け、健康状態を管理することが必要です。胸水の再発や症状の変化がある場合は、早期に医師に相談する必要があります。
胸水は、症状が出た場合は適切な医療処置が必要です。胸腔ドレナージによって、胸水を排出することができますが、その後は定期的な医療管理を受け、健康的な生活習慣を維持することが大切です。