放射線診断治療センター ※下記のトピックにてお知らせ配信中
トピック
12月にMRI装置を更新しました
- 今までより多くの情報が得られ、さらに短い検査時間で撮影することができます。
- 最新の技術により、今までと同じ検査時間でより小さな病気まで見つける事ができるようになります。
- 検査時の騒音が軽減され、より快適に検査を受けていただくことができます。
11月にマンモグラフィ装置を新しくしました
- コンパクトで丸みがあり、女性の気持ちと体型にやさしくフィットします。
- 撮影時の無理な体勢が少なくなり、リラックスした状態で検査を受けることができます。
- 画像補正技術の向上により、見えなかった病変が見えるようになりました。
放射線科専門医からのメッセージ
医員 谷口 毅
2019年の10月に着任した放射線科専門医の谷口と申します。
放射線科医と聞いてみなさんはどのようなイメージを持たれるでしょうか。外科医が主役のドラマやコミックは巷に溢れており、救急医や僻地医療をテーマにした題材も多く見られます。身近な存在である内科や整形外科なども一般の方々はイメージしやすいでしょう。産婦人科や小児科は昨今の厳しい現状で医師不足が叫ばれているのは皆さんの知るところです。翻って「放射線科医」、どんな仕事なのか、どんな内容なのか、想像できる方は非常に少ないのではないでしょうか。
現代の診断技術は凄まじいスピードで発達しています。そしてその中心的な役割を果たしているのが画像診断と呼ばれる技術です。CTやMRIと呼ばれる装置を使い、表面からは見えない内部の様子をメスも入れずに知ることができます。対象は頭のてっぺんから足の先まで。どこにどんな病気があるか、わずかな時間で詳細に知ることができます。一番分かりやすいのは癌という病気です。胸のCTを撮影すれば95%の癌は漏れなく見つけることが可能です。さらに撮影範囲を広げ、時にはMRI、PETも駆使すれば身体のどこに転移があるのかを知ることができます。これにより癌がどのステージにいるのか、治療方針を決めることができるのです。
救急の現場でも、お腹が痛い、頭が痛い、様々な病気の診断に対し絶大な威力を発揮します。さらに核医学検査(PET検査やシンチという呼び名で知られている方も多いのではないでしょうか)では脳の血流低下による認知症の診断、腎臓の機能評価、さらにはCTやMRIだけではわからない癌の性状など様々な情報を得ることができます。現在ではあらゆる医療の現場で無くてはならない技術となっているのです。
しかし困ったことが起こります。どこに異常があるのか、それはどんな病気なのか、技術の進歩に伴い画像を読むために長い専門的な訓練が必要となるほど情報量が増えてしまいました。それも頭のてっぺんから足の先まで。そこで、日々得られる膨大な診療画像を読み解き、その情報を的確に診療に役立てるべく存在するのが放射線科専門医なのです。
ただし放射線科の役割は画像診断だけではありません。血管に管を通して出血を止めたり病気の部分にだけ薬を入れる血管内治療、CTやエコーを駆使して身体の中に正確に安全に針を刺して膿を抜いたり癌の組織を採取する穿刺技術、さらには癌の部分に精密に放射線を照射し焼き殺すがん三大治療の一つである放射線治療、これら全ては放射線科のテリトリーです。
放射線科は非常にマイナーな存在です。それは普段診療の表舞台には現れない黒子だからです。しかも読影室という暗い部屋の中、PCの前が仕事場という非常に地味な見た目、そのせいでメディアの題材にもしにくい。しかし、たとえ華々しさとはかけ離れた仕事場でも、現代医療の核心を担っているという自負と責任感は全ての放射線科医が共有しています。病院でCTやMRIを撮った時、できれば我々の存在を思い出してみてください。
技師長からのメッセージ
技師長 水野晶公 挨拶
私が就職活動をしている時、施設見学に伺った病院の放射線技師さんからこんな話を聞きました。同じ職場で毎年健康診断を受けている先輩が、翌年の健康診断で異常が見つかり、その数ヶ月後に亡くなったという話でした。亡くなられたかたは肝臓に腫瘍ができ、精密検査を受けたときにはもう手がつけられなかったということでした。
一般的な健康診断では、画像検査というのは胸部のX線写真であったり、胃のバリウム検査や胃カメラが多く、脳であったり、肝臓、腎臓の検査はあまりされることはありません。胸部のX線写真も、小さな結節では熟練した医師でも発見できないこともあります。こういった足りない検査を補うためにCTやMRIといった精密な検査をする装置があります。この精密検査をするためには自分自身やその家族、またはその周りの人が体の異変に気づき、病院に行き診察をしてもらい、検査をうけることが必要なのです。
私の両親は私が社会に出る前に両親ともがんで亡くなりました。両親とも原因となるがんではなく他の病気で通院はしていましたが、発見されたときには余命が告げられていました。なぜ検査をしていなかったのだろう、なぜ通院していて検査してもらわなかったのだろうと、今の職業をめざし試験勉強をしながら唇をかみしめていました。
その頃からいわれていますが、早期発見、早期治療という言葉があります。今は早く見つければ治療も簡単にすむ時代です。入院も短い期間ですむのです。今やがんイコール死という時代ではなくなりつつあります。
人間ドックや脳ドック等を利用し、動脈瘤が発見されることもあります。発見が早ければ投薬などのコントロールによって、手術をせずにその病気と付き合って行く方法もあります。ですが、発見が遅くては手遅れとなってしまうこともあります。もし、『いつもと違う!』というちょっとしたサインを見つけたら、様子を見ずまず診察を受け、是非精密検査を受けてください。当院は放射線技師も24時間体制で勤務しています。
部門紹介
当センターは、マルチスライスCT装置2台、MRI装置、血管撮影装置など高性能な画像診断装置を用いて、各種疾患の画像診断を行なっております。女性の方が特に注目されている、乳がんの正確な診断には欠かすことができないマンモグラフィ撮影も行なっています。また一般撮影装置やX線テレビ装置のデジタル化により、患者さんへの被ばく低減、検査時間の短縮にも努めています。
CT、MRIなどの画像を、消化器や脳神経、循環器など各専門の医師に加え、更に画像診断を専門とする常勤の放射線科専門医が見ることによって、専門領域以外の所見を見つけることができ、早期発見、早期治療につなげることが出来ます。
当院は救急指定病院であり、急な病気、けがに対応する一方、突然亡くなられてしまった方の死因究明の為に、死亡時画像診断(PMI)にも積極的に取り組んでいます。
スタッフ一丸となり、24時間365日いつでも対応できる病院、放射線診断治療センターとしています。
レントゲン撮影(一般撮影)
コンピュータで画像処理する装置を使用しており、より少ないX線の量で検査を受けることが出来ます。画像処理の時間も大幅に短縮され、検査時間が短く楽に、安心して検査を受けていただけます。
主に全身の骨や胸部、腹部などの撮影を行ないます。体勢を変えて撮影を行なう際には 放射線技師が優しく声をかけて撮影を行なうので安心です。
外来レントゲン撮影装置
救急処置室でそのままレントゲン
全国でも稀です。
救急処置室は放射線を防護した安心安全な環境です。救急車で運ばれてきた患者さんの処置と並行してレントゲン撮影が可能であるため、診断・治療が非常に早く行われます。
救急処置室・レントゲン撮影装置
手の骨のX線写真
マンモグラフィ(乳房専用のX線撮影装置)
従来は、フィルム(アナログ)が主流でしたが、デジタル画像として撮影、診断ができるようになりました。
触診ではわかりにくい腫瘍や石灰化、しこりを画像として捉え、乳がんの早期発見に欠かすことのできない画像診断の1つです。
当院では乳腺・内分泌外科を専門とした乳腺専門医によって画像のダブルチェックを行なっており、より高い水準での診断を可能としております。
女性技師のみの徹底対応
乳房撮影の際は女性技師のみが担当させていただいているので安心して検査が受けられます。
健康チェック(乳がん検診)はこちら
乳房撮影装置
マルチスライスCT
レントゲン写真で分からない、体の中の構造、出血や骨折の状態などがよく分かる検査です。
短時間での撮影が可能な80列CT2台で検査を行なっています。最新の80列CTでは高速撮影により常に動いている心臓の撮影も可能です。
また、短時間撮影により、被曝の低減や息止めの時間短縮など、患者さんに負担の少ない検査が可能です。
最新80列CT2台導入
最新の機器と放射線技師の患者さんに寄り添う姿勢が、安心安全を実現しています。また、当院では早期発見、早期治療をめざし、画像の処理スピードと画質の向上をさせるためCT装置を新しくします。検査の待ち時間短縮も期待できます。
特長① 高画質で短時間撮影が可能です。
きれいな画像が、さらに短い時間で撮影が可能になります。これにより、短い息止め時間で検査を行うことが可能になります。
特長② 少ない被ばくで検査が行えます。
最先端の技術が搭載されているこの装置では、最大で75%の被ばく低減で検査をすることができ、安心して検査を受けていただけます。
特長③ 安全な検査環境を確保します。
CT装置の開口径は78cmと従来に比べ大幅に広くなり、快適に検査を受けていただけます。
患者さんが寝る寝台も左右にスライドするため、無理な体勢をすることなく、安心安全な検査を実現します。
健康チェック(CT検査)はコチラから
80列CT装置(A棟導入完了)
胸腹部の3D画像
腹部のCT画像
MRI
磁石を利用して人体の様々な断面を撮像することができる検査です。CTでは分かりにくい筋肉や、じん帯などがよく見えます。
当院のMRI装置には静音機構が搭載され、従来の装置より検査中は静かで、患者さんはリラックスしながら検査を受けることができます。
造影剤アレルギーの方に
造影剤という薬剤を使用せずに血管像を得ることができるため、頭部血管のMRA像は造影剤アレルギーの方も検査が可能です。
CTとは異なり、放射線を用いないので被曝の心配もありません。
見つからなかった骨折発見
レントゲンで見つからなかった骨折が、MRIによって見つかったケースが多数あります。なかには入院が必要となった例もあります。
最新の設備だからこそ、実現を可能にします。
動脈瘤が人間ドックで
家族に勧められ、なにげなく受けた脳ドックで、脳血管に動脈瘤が発見されることがあります。破裂してしまったら、急性くも膜下出血により命にかかわることもあります。
健康チェック(脳ドックセット)はこちらから
MRI装置
頚部のMRI像
頭部血管のMRA像
骨密度測定
痛くも痒くもない!寝ているだけ!!
当院では最新の機器を導入し、骨折するリスクが高いといわれる腰の骨や大腿骨(足の付 け根)での測定を行っています。
検査時間は5分から10分ほど寝ているだけで検査が出来ます。 検査結果は印刷してお渡ししています。
健康チェック(骨密度検査)はこちらから
歯科領域撮影
全ての歯を撮影する装置や、一部の歯を詳細に撮影する専門の装置、歯の矯正のための撮影も行なっています。
24時間撮影可能
当院では24時間撮影が可能です。
歯科用デジタルパノラマ撮影装置
パノラマ像(上下全部の歯や顎の骨が見えます。)
透視検査
通常の消化管造影検査から血管造影検査まで、併用して一度に検査が行える装置を導入しています。消化管など動きのある部位は、高速連続撮影をすることも出来ます。
検査時間も短くなり、動画のように見ることも出来ます。
何処よりもハイスペック
一般的に透視検査というと胃のバリウム検査等を想像されると思います。当院の最新機器では 高精度かつ、患者さんの姿勢を変えずに検査を行なう事も可能にしています。
透視撮影装置
肘から手首の血管像
血管造影検査・治療
従来の血管撮影装置よりも、少ないX線量で鮮明な撮影を行なうことができます。心血管検査では一度に広範囲の撮影・診断が可能となり、高精度の検査・治療が行なえます。
また、脳血管検査では脳梗塞の原因となっている血栓の吸引、出血している血管の特定も行なうことができます。
カテーテル検査
検査にはカテーテルという細い管を用いて、血管内に造影剤や薬剤を直接注入することで、狭窄部位や腫瘍などの検索、または治療を行ないます。
心臓カテーテル、血管の3次元画像(3D)など多種にわたって検査することができ、原因疾患の特定にもとても有効な検査です。
検査だけではなく治療も
脳動脈瘤による出血、血栓による脳梗塞、腹部外傷による出血などもカテーテルを使い、わずかな傷で治療を行なうことが可能です。
血管撮影装置
撮影した血管を3D処理した画像
頭部の側面の血管像
心臓の血管像
所属スタッフ
放射線診断治療センターに所属する各人員
男性放射線技師 | 女性放射線技師 | 事務員 |
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12名 | 2名 | 1名 |
所属医師
放射線診断治療センター
名前 | 専門医 |
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医員 谷口 毅 |
専門医
所属学会
経歴
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